教養書のすすめ

-読書でより良い人生を生きるために-

コモディティからスペシャリティへ――『断る力』

 私にとって、勝間和代氏の書いた『断る力』を紹介するのは、多分に痛みをともなう行為でもある。なぜなら、そこに書かれていることは、私という人間がこれまでの人生において――少なくとも、仕事をするという一点において、それまで所属していた会社の環境にどっぷりと漬かってしまい、自己研鑽すること、つまりは、自分がそのけっして長くはない人生において何を目指し、どのような生き方をしたいのか、ということの探求や、そのために本当にやるべきことと真剣に向き合うといったことをずいぶんと怠っていた、という事実を突きつけられるからに他ならない。

続きを読む