2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧
「快楽消費」という言葉に妙に惹きつけられて手にすることになった、堀内圭子氏の『<快楽消費>する社会』という本であるが、ここに書かれている「快楽」とは、あくまで消費者を消費行動へと走らせる要素として定義されたものであり、そこには従来の消費者行…
生物とは何か、という問いは、非常にクリティカルで根源的な命題だ。たとえば、私たち人間は「生物」、つまり生きていると言うことができるとしよう。ではもっと小さなもの、たとえば細菌などはどうだろうか。非常に小さな単細胞生物で、ときには私たちに病…
オレオレ詐欺や還付金詐欺など、いわゆる「特殊詐欺」のターゲットとなるのが高齢者であるという事実は、よくよく考えればとくに不思議なことではない。今の時代、一番お金を持っているのが高齢者であることは事実であり、じっさいにビジネスの世界では、お…
ヒューマニズムとは何なのか、ということをあらためて考えたとき、私にとっての「ヒューマニズム」とは、その言葉の響きだけは知っているものの、それが指しているもの、意味するものについて、それほど深く考えることもなく今に至っている、ということに気…
私にとって、勝間和代氏の書いた『断る力』を紹介するのは、多分に痛みをともなう行為でもある。なぜなら、そこに書かれていることは、私という人間がこれまでの人生において――少なくとも、仕事をするという一点において、それまで所属していた会社の環境に…
突然だが、私はここ数年「東方Project」と呼ばれる一連の同人シューティングゲームにハマっている。もちろん、最新作の「東方紺珠伝」もプレイしたが、これがいつになく難しくて、とりあえずeasyモードしかクリアできていないという状態である。 ……まあ、そ…
骨董業界を舞台とした北森鴻氏のミステリー『狐罠』のなかで、とあるお椀の贋作を作成するシーンがある。その贋作師はわざわざ同じ時代の木材を手に入れ、同じ時代の道具をもちいて木を削るのだが、さらにその贋作師は、その椀の作成は秘伝ゆえに、おそらく…
前回紹介した西内啓氏の『統計学が最強の学問である』は、読んでいると「統計学」によってどんな因果関係でも数字で説明できるような気になってくる、という点で非常に興味深い本であり、また統計学のそもそもの成り立ちや、どういった経緯があってそうした…
以前勤めていた会社で社内SEを担当していた経験があるが、そもそも企業が業務のシステム化というものに目を向けたもっとも大きな要因は、いかに煩雑で手間ひまのかかる業務を簡略化・効率化することができるか、という点にあった。そのもっとも典型的な例…
読書とは、孤独な行為だという思いが私にはあった。本に対して向き合うのは、あくまで私という人間ひとりであって、たとえ、別の人が同じ本を読んでいたとしても、そこから得られるものも同じとはかぎらない。そもそも「本を読みましょう」という掛け声とと…
このブログは教養書を読むことで、さまざまな方面の知識を身につけたい、という個人的欲求があってはじめたものだが、そうやって興味の赴くままに教養書を読んでいくと、不意に以前読んだ教養書の知識や、そこで感じたある要素がつながっているのではないか…
科学と神、あるいは神学というものは、相容れないものであるという意識が私たちにはあるが、たとえばアメリカにおける「創造科学」の変遷などを考えると、かならずしもそういうわけでないことが見えてくる。「創造科学」とは、おもにダーウィンの進化論を否…
これはより正確には「PV至上主義」と言うべきかもしれない。「PV」とは「ページビュー」のこと。つまり、インターネット上で公開しているウェブページやブログの特定のページが閲覧された回数のことを指す用語である。私はかつて、前世紀末ごろに自身の…
日本の景気が良くならない、いや、たしかに景気は良くなったという政府発表とは裏腹に、私たちの生活がいっこうに向上したようには思えない、むしろ悪くなっているようにさえ思えるのは、経済的にはお金が回っていないから、という理由へと帰結していく。誰…