教養書のすすめ

-読書でより良い人生を生きるために-

2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

世界と折り合いをつける脳――『養老孟司の人間科学講義』

ほんの数年前まで、私は「まぎれもない自分自身」というものがどこかにあるはずだ、と信じて疑っていなかったし、それをずっと探し求めるような生き方をしていた。今にして思えば、自分というものについて、ずっと漠然とした不安定さを感じていたのだろう。…

見ているのは「指」か「月」か――『なぜ、あの人と話がかみ合わないのか』

ある人が面白いと思って貸してくれた本が、自分にとってはさほど面白いと思えなかったりする場合がよくある。同じ内容の本を読んでいるはずなのに、なぜその人と自分のあいだで正反対の意見になってしまうのか、というのは、私にとってはけっこう重要なテー…